22.10.14
VRIO分析とは?特徴と4つの要素についてわかりやすく解説!
「経営資源を分析する際にはVRIO分析だってよく聞くけど、一体何?」という人も多いはず。
本記事ではVRIO分析の特徴と4つの要素を解説していきます。
VRIO分析を使用すれば、企業が持つ経営資源の強み弱みを把握ができ、経営戦略に役立てることができるでしょう。
目次
VRIO分析とは?
VRIO分析とは、1991年にオハイオ州立大学経営学部のジェイ・B・バーニー教授が提唱した経営分析のフレームワークです。
「Value(経済的価値)」、「Rarity(希少性)」、「Inimitability(模倣困難性)」、Organization (組織)」の4つの観点から企業における経営資源(人材、経営資金、モノ、情報、時間、知的財産)の競合優位性を「YES / NO」形式で分析します。
分析の手順は「 Value(経済的価値) → Rarity(希少性) → Inimitability(模倣困難性) → Organization(組織) 」の順で行います。
VRIO分析の4つの要素
それでは、ここからVRIO分析の4つの要素について詳しく解説していきます。
Value(経済的価値)
企業が保有する経営資源が「経済的な価値があるか」を判断するを項目です。
ここでの「経済的な価値」とは、単純に金銭的なことではなく市場変化のリスクに対して柔軟に対応できるか、市場変化のチャンスを上手く掴むことができるかなど市場に対しての価値を指します。
経済的価値を判断することで、市場において「競争優位性」を評価できるでしょう。
Rereness(希少性)
企業が保有する経営資源が「どのぐらい希少性があるか」を判断する項目です。
「希少性」とは、経営資源の需要に対して供給が少ない状態のことを言います。
市場において、対象の経営資源を保有している競合他社が少ない場合は希少性が高いと判断でき、逆に多い場合は希少性が低いと判断できます。希少性が高ければ他企業の新規参入を防ぎやすくなり、参入されたとしても市場での優位性を保てる可能性が高いです。
希少性を判断することで、市場において「競争均衡性」を評価できるでしょう。
Imitability(模倣困難性)
企業が保有する経営資源が「競合他社が容易に模倣することができるか」を判断するを項目です。
競合他社が経営資源を容易に模倣できない独自性のある仕組みがつくれると、模倣困難性の難易度が上がり市場優位性が高まります。模倣困難性が高く希少な資源を保有することができれば、競争優位性を長期間維持することが可能となります。模倣困難性を判断する際には、競合他社が自社資源を模倣する際にかかるコストについて考えることが重要です。
模倣困難性を判断することで、市場において「一時的な競争優位性」を評価できるでしょう。
Organaization(組織)
企業が保有する経営資源を「有効に活用できる組織体制が構築できているのかどうか」の有無を判断するを項目です。
これまでの経営資源に対する評価とは異なり、経営資源を活用する組織や仕組みに対する評価となります。
経済的な価値があり希少で模倣困難性が高い経営資源に対して、市場での業績や優位性が保たれていないのであれば、組織のあり方や運営の仕組みに問題がある可能性が高いことになります。
模倣困難性を判断することで、「持続的な競争優位性」を評価できるでしょう。
VRIO分析の実施方法
ここまで特徴と4つの要素について解説してきました。
次は、どのような方法でVRIO分析を実施していくのかをみていきましょう。
VRIO分析の実施手順
まず、分析する経営資源の掘り下げを行います。
その後該当の経営資源に対し「 Value(経済的な価値) → Rarity(希少性) → Inimitability(模倣困難性) → Organization(組織) 」の順で「YES / NO」形式で判断していきます。それぞれの項目の判断結果が「YES」の場合にのみ、次の項目へと進めていき、「NO」と分類した場合は、該当の経営資源の分析をそこで中止します。
VRIO分析の判断結果
各項目で「YES」の場合は、市場において以下のような結果となります。
Value(経済的な価値) | 経済的な価値があり、競争優位な状況 |
Rarity(希少性) | 経済的な価値があり希少で、競合他社と差別化ができている状況 |
Imitability(模倣困難性) | 経済的な価値があり希少で模倣困難生が高く、競合他社に追いつかれない状況 |
Organization(組織) | その市場内で競合他社に脅かされることのない、優位な立場にいる状態 |
次に、各項目で「NO」の場合は以下のような結果となります。
Value(経済的な価値) | 経済価値がなく競争のなかで不利な状況(競争劣位) |
Rarity(希少性) | 希少性が低く、競合他社と差別化ができない状況(競争均衡) |
Imitability(模倣困難性) | 価値や希少性はあるが、競合他社にいつ追い抜かれてもおかしくない状況(一時的競争優位) |
Organization(組織) | 組織の仕組みや体制 (持続的競争優位)が整っていない |
VRIO分析は経営戦略の手助けとなる
本記事では、VRIO分析の特徴と4つの要素について解説をしてきました。
VRIO分析は経済価値・希少性・模倣困難性・組織の4つの要素を評価することで他社と自社の強み、弱みを客観的に知ることができます。
そうすることで、今後の事業改善における経営戦略の方向性を指し示すことができます。
ぜひ、自社の経営資源を最適化していきましょう。
用語集解説